経営者の”事業”と”人生”を支えたい

銀行時代:理想と現実のギャップ
学生の時は、麻雀とラグビーに明け暮れ、呑気な生活を送っていました。
「為替ディーラーで海外勤務がカッコいいなあ!」そんな動機だけで銀行へ就職しますが、配属は希望とは全く異なる都下の支店。ロビーに立って「いらっしゃいませーっ!」と叫ぶ毎日。そして次は法人営業の飛び込みへ。会社の研修だけで決算書の読み方などわかるはずもなく、朝から夜中まで、わけもわからず、右往左往の日々。ほどなくバブル期となり、夜10時頃になると先輩たちとお決まりの飲み屋へ毎日繰り出し、カプセルホテルに泊まって朝は酒臭い息を吐きながら出社するという、ふざけた日々を過ごしていました。
決算書が少しはわかるような気になってきたころ、飛び込み営業で外資系企業へ入ったところ、渡された決算書が横文字であるだけでなく、書き方も今まで見てきたものとは違い、わかったような気になっていた自分の頭を金づちで叩かれたような悲しい衝撃を受けました。これをきっかけに英文会計に興味を持ち、米国公認会計士(USCPA)を目指しますが、途中に頓挫したこともあり、気が付けば合格まで9年を要しました。
国際税務会計事務所時代:実務の裏側と本質への気づき
銀行では為替ディーラーはもちろん、海外業務にも就けないという悲しい現実を突きつけられたので、米国公認会計士試験合格を機に自分で海外業務の道へ転職。そこでは国内の一般法人個人のお取引もあり、顧問先社員の給料計算、社会保険料の算出から官公庁への様々な届け出、会社の設立業務から不動産登記申請などそれまで携わったことのない業務を色々に経験します。銀行員のときは出来上がった決算書をみてわかったような見解を言っていたものの、どうやってその決算書が出来てくるのか、その根本はわかっていなかったのですが、ここでの経験でその裏側が見えてきました。富裕層のお客様へは、ハワイ州への投資案内と管理を担当するようになり、銀行時代とはまったく違う、視界の広がりを感じていました。
顧問先の飲食店オーナーから「実は税金の支払いが遅れていて・・どうしたものか・・」とご相談を受け、私なりの資料を作成し、一緒に税務署へ伺った結果、肩透かしのようにすんなりと事が運び顧問先には喜んで頂けました。「自分には普通のことでも経営者の方にはお役にたてるようだ・・」と感じた最初の機会だったと記憶しています。
チェーン店企業での経営体験
そのオーナーとのご縁で一般法人の財務職へ転職。バブル期には数千億円の売上のあった会社でしたが、数年前に民事再生を申し立て、再生の途上にある中へ飛び込むことになります。毎日が戦場の様相・・・官公庁をはじめとする外部との折衝、財務の取り纏めなど創業社長の下で小売り経営の何たるかを毎日叩き込まれます。
ある日、創業社長と話しをしている中で「自宅を売却するとどのくらい税金がかかるのか?」「将来どのくらい年金がもらえるのか?」「生命保険に入っているが自分に万が一のことがあったときに家内にはそれで足りるのか?」・・・お金のことはわかったようなつもりでいたのですが、そこには答えられない自分がいました。
CFPへの挑戦と今
お金のことでも特に個人周りのことが精緻にわかっていないという知識の偏りに気づき、調べたところファイナンシャルプランナーの勉強が良さそうだとわかり取り掛かります。CFPの取得まで3年を要してしまいましたが、創業社長に問われて答えられなかったような内容も応じられるようになり、自分の守備範囲が広くなってきたことを実感できるようになりました。
銀行での融資・資金運用経験、税務会計実務、小売り経営・・・と、学生時代には全く想像もしていなかった人生経験がいま、世の中の経営者のお役に立てていることでとても充実した業務に取り組めるようになりました。私のこれまでの人生に関わって頂いた全ての方々に感謝しかありません。
<略歴・資格>
- 早稲田大学 政治経済学部卒
- 三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)勤務
- 米国公認会計士(USCPA)合格
- 国際税務会計事務所 勤務
- 全国チェーン企業 財務担当役員
- CFP(日本FP協会公認)
- 1級ファインナンシャル・プラニング技能士(国家資格)
- 証券外務員一種
