「選ばれる病院」になるための財務戦略 —— 企業型確定拠出年金(DC)が切り拓く人材定着の新しい形

2月に入り、多くの医療法人様では次年度の体制構築や採用計画に本腰を入れられる時期ではないでしょうか。 現在、私はある医療法人グループ様にて、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」の導入支援を行っています。 医療業界において、今や「人材の定着」は経営の最優先事項です。今回は、単なる福利厚生に留まらない、財務戦略としての人材定着策についてお伝えします。
1. 「給与アップ」だけでは限界がくる
深刻な看護師・スタッフ不足の中、多くの法人が給与水準の引き上げで対応しようとしています。しかし、単なる昇給は、法人にとっては「社会保険料の負担増」、スタッフにとっては「税・社会保険料の引かれ損」を招くという側面も持っています。
2. 医療業界での導入は、まだ「ブルーオーシャン」
実は、医療業界において企業型DCを導入している法人は、一般企業に比べてまだ多くありません。これは経営者にとって大きなチャンスです!
他院との差別化: 求人票に「退職金制度(確定拠出年金)あり」と記載できることは、リテラシーの高い優秀な人材に対する強力なフックになります。
「長く働く理由」の創出: 制度を通じてスタッフ個人の資産形成を国がバックアップする仕組みを整えることで、「この法人は自分たちの将来を考えてくれている」というエンゲージメント(愛着心)に繋がります。
3. CFO視点で見る「コスト」と「投資」
「制度を入れるとコストが増えるのでは?」という懸念をよく伺います。しかし、CFO的な視点で見れば、これは単なる支出ではなく、戦略的な投資です。 企業型DCは、掛け金を給与(賞与)の一部から拠出する設計にすることで、法人負担の社会保険料を適正化できる可能性があります。また、経営者ご自身も加入できるため、法人税を抑えながらご自身の役員退職金を効率的に積み立てることが可能です。 制度設計次第では、退職金の前払い的な性格も持たせられるので、節税対策のみならず、資金繰り上でも大きな役割を果たせる素晴らしい制度です。
★現場の「痛み」を知るパートナーとして
最近では、資金繰りの改善や税務署との交渉といった、いわば「守りの財務」のご相談も増えています。こうした泥臭い交渉現場を経験しているからこそ、私はきれいごとではない、実効性のあるアドバイスを大切にしています。 「攻め」の福利厚生としてのDC導入、「守り」の資金繰り対策・・・この両輪を回してこそ、経営者は本業に集中できるのではないでしょうか。
もし、「うちの法人の場合はどうなる?」「具体的なシミュレーションが見たい」といったご関心がございましたら、お気軽に「お問い合わせ」よりお声がけください。

